社労士の独学テキストは何冊必要?講義15時間を8科目で割ったら1.9時間だった

社労士試験・講座

※本記事にはプロモーションを含みます

社労士の独学を始めようとすると、最初に迷うのがテキストの冊数です。

基本テキスト1冊で足りるのか、科目ごとに分かれたものを揃えるべきなのか。

答えは、試験制度のほうに書いてあります。

社労士試験には科目ごとの合格基準点があります。

この記事でわかること

  • テキストの冊数が試験制度で決まってしまう理由
  • 得意科目で稼ぐ作戦が、社労士試験では通らないわけ
  • テキストを買う前に確認しておくこと

必要な範囲は全科目分。範囲を絞る作戦は、制度上とれません。

試験範囲は選択式8科目・択一式7科目

試験センターが公表している出題科目と配点は、次のとおりです。

科目選択式択一式
労働基準法及び労働安全衛生法1問(5点)10問(10点)
労働者災害補償保険法(徴収法含む)1問(5点)10問(10点)
雇用保険法(徴収法含む)1問(5点)10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識1問(5点)10問(10点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)-
健康保険法1問(5点)10問(10点)
厚生年金保険法1問(5点)10問(10点)
国民年金法1問(5点)10問(10点)
合計8問(40点)70問(70点)

労働分野と社会保険分野がほぼ半分ずつ。年金2法だけで択一式20問を占めます。

市販の基本テキストは、この全範囲を1冊にまとめたものが主流です。分冊型は同じ範囲を科目群で切り分けているだけで、カバーする内容は変わりません。

「得意科目で稼ぐ」が使えない

ここが社労士試験の特徴です。

試験センターは合格基準についてこう書いています。合格基準点は選択式・択一式それぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定める。そして各成績のいずれかが基準点に達しない場合は不合格になる、と。

総得点が足りていても、1科目でも基準点を下回れば不合格です。

選択式は1科目あたり5点しかありません。ここで基準点を割ると、他科目がどれだけ取れていても届かない。

苦手な年金を捨てて労働法で稼ぐ、という組み立ては通りません。テキストの範囲を節約する余地は、制度の側でつぶされています。

講義15時間を8科目で割ると1.9時間

独学の入口として、月額制のオンライン講座を検討する人も多いはずです。

オンスク.JPの社労士講座を例にとると、講義動画は全107回・約15時間、練習問題は408問です。

この15時間を選択式の8科目で割ると、1科目あたり約1.9時間になります。

1科目2時間弱で科目別基準点を超えるところまで持っていく設計にはなっていません。

実際、公式ページには「※当講座は社会保険労務士入門編講座です」と明記されています。数字と表記が一致しているので、ここは誤解の余地がありません。

使い方としては、テキストの代わりではなくテキストに入る前の地図です。全体像を15時間で通してから読むと、1冊目で止まる確率が下がります。

合格者の59.9%は会社員

順序を気にする理由は、受験者層にあります。

連合会が公表している2024年度試験の合格者を職業別に見ると、会社員が59.9%で最多です。公務員8.6%、団体職員4.9%、自営業4.2%と続きます。学生は0.7%しかいません。

年齢では30代が32.5%、40代が28.9%です(2024年度試験・白書2025年版)。直近の第58回(令和8年度)の合格率は9.3%で、受験42,510人に対し合格3,961人でした(前年の第57回は5.5%)。

働きながら、限られた時間で全科目を回している人が多数派です。

この条件で全科目分のテキストに正面から入ると、量に押されて配分が崩れやすい。先に地図を持っておきたいのは、そのためです。

講座の中身をもう少し細かく見た記事もあります。オンスク.JPの社労士講座は合格に足りるかを検証した記事を先に読んでおくと、判断が早くなります。

テキストを買う前に確認すること

抜けやすいのがこの2点です。

1. 受験資格

社労士試験には受験資格があります。学歴・実務経験・国家試験合格のいずれか1つを満たす必要があり、申込時に受験資格証明書の提出を求められます。行政書士試験の合格も受験資格になります。

実務経験で受ける場合、一般企業の従業者としての勤務も対象に含まれます。ただし証明書の様式が決まっているため、勤務先に記入を依頼する時間を見込んでおいてください。

2. 申込期限

申込期間は、厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)から5月31日まで。受験手数料は15,000円です。秋から勉強を始める場合、申込は翌年の春になります。

独学で埋まらない部分

テキストを揃えても残る穴が3つあります。

1. 法改正への追随

労働・社会保険の法令は毎年動きます。前年度版のテキストを使い回すと、改正部分がそのまま失点につながります。

避けるには、受験年度版を買うこと。古い版を安く手に入れても、この試験では割に合いません。

2. 一般常識科目の範囲

労働一般常識と社会保険一般常識は、白書や統計からも出題されます。市販テキストだけでは範囲を読み切れません。しかも選択式で各5点、基準点の対象です。

避けるには、直前期に一般常識対策の講座や模試を単発で足すこと。ここは独学の効率が落ちる区間だと割り切ったほうが早い。

3. 進捗の偏り

全科目を回す必要があるのに、独学だと得意な科目に時間を使いがちです。偏りは、苦手科目が基準点を割る形で表面化します。

避けるには、科目ごとの学習時間を記録して、配分を目に見えるようにすること。講座の進捗管理機能を使う手もあります。

よくある質問

Q. 基本テキストは1冊で足りますか?

範囲としては1冊で全科目をカバーできます。ただし科目別基準点がある以上、過去問演習を足す前提で考えてください。

Q. 分冊型と1冊型はどちらがいいですか?

カバー範囲は同じです。持ち運ぶ機会が多いなら分冊型、机で通読するなら1冊型、という選び方になります。

Q. 講座を取るならテキストは不要ですか?

入門編の講座は全体像をつかむためのものです。科目別基準点を超えるところまでは、別途テキストと問題演習が要ります。

Q. いつから始めれば間に合いますか?

申込は5月31日までなので、秋開始なら翌年受験が現実的です。必要な学習時間は個人差が大きいため、まず全科目を1周する時間を測ってから逆算してください。

まとめ

  • 科目別基準点があるため、テキストの必要範囲は「全科目分」で確定する
  • 選択式は1科目5点。1科目でも基準点を割れば、総得点に関係なく不合格
  • 入門編の講義15時間は8科目で割ると1.9時間。テキストの代わりにはならない

範囲を節約する方向で考えると、この試験は科目別基準点で足をすくわれます。

テキストを全科目そろえる費用と、講座の値段を並べてみる手もあります。金額は社労士の通信講座を「合格率の分母」で比較したとアガルート社労士、入門・中上級・上級の分かれ目は択一式30点と35点に出しました。

まず全体像を短時間で通してから、テキストに入る順序にしてください。入門編の講座は月額1,078円から、無料体験は期間無制限で自動課金もありません。全科目の地図を作る用途なら、ここから始めるのが軽い選択です。

オンスク.JPの社労士講座を見る

資格を取ったあとの話は、社労士の年収を出典別に分解した記事と未経験からの転職を求人票から見た記事にまとめています。

まとめ

  • 社労士試験は選択式8科目・択一式7科目。科目ごとに合格基準点があり、1科目でも届かなければ総得点に関係なく不合格
  • 入門編の講義15時間は8科目で割ると1科目1.9時間。テキストの代わりにはならない
  • 範囲を削る方向で考えると、科目別基準点で足をすくわれる

まず全体像を短時間で通してから、テキストに入る。順序を逆にすると、分厚い1冊目で止まります。

今年の試験で届かなかった場合の動き方は、割引制度と講座の選び方を整理した記事にまとめました。

この記事で確認したもの

対象:社労士試験の科目構成・配点・合格基準(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)/オンスク.JPの講義時間

時点:2026年9月7日

やったこと:試験オフィシャルサイトで科目数と合格基準を確認し、講義15時間を科目数で割って1科目あたりの時間を出しました。科目別基準点があるため、範囲を節約する方向の学習が成立しにくい点はここから来ています。

書かなかったこと:市販テキストの銘柄別の評価。実際に使い比べていないため、冊数と範囲の話にとどめています。どのテキストが良いかは書いていません。


※記事内の数値は2026年9月7日時点で、社会保険労務士試験オフィシャルサイトおよびオンスク.JP公式サイトを確認したものです。試験制度・講座内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。学習方法の適否は個人の状況によって異なります。

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