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社労士講座を調べていると、教育訓練給付金の対象、という表示をよく見かけます。
20%が戻ってくる制度です。25万円の講座なら5万円。無視できる額ではありません。
ただアガルートの場合、ここに落とし穴が2つあります。対象の講座が思ったより少ないこと。それと、合格特典とは両取りできないこと。
どちらを取るかは、最後は自分の合格確率をどう見積もるかで決まります。分かれ目を計算しました。
この記事でわかること
- 給付金の対象は10講座中2つで、上級カリキュラムが入っていないこと
- 割引を使うと給付金も減る。それでも割引を使ったほうが得になること
- 全額返金と給付金の分かれ目が合格確率20%にあること
給付金は取りこぼしの少ないお金、全額返金は当たれば大きいお金です。自分の合格確率を20%より高く見るなら全額返金、低く見るなら給付金。
対象は10講座中2つ
アガルートの社労士講座で、一般教育訓練給付金の対象になっているのはこの2つだけです。
| 講座 | 教育訓練経費(税抜) | 厚生労働省指定番号 |
|---|---|---|
| 入門カリキュラム/フル | 238,000円 | 1322058-2520012-7 |
| 中上級カリキュラム/フル | 278,000円 | 1322058-2520022-0 |
訓練期間はどちらも12か月です。指定番号と経費は公式の対象講座一覧に載っています。
ここで気づいてほしいのが、上級カリキュラム/フルが入っていないことです。
合格特典(全額返金・お祝い金)の対象は入門フル・中上級フル・上級フルの3つでした。給付金の対象はそのうち2つ。1つずれています。
択一式で35〜40点だった人には、上級カリキュラムが案内されます。その層だけ、給付金が使えません。
点数とカリキュラムの対応、10講座の値段はアガルート社労士、入門・中上級・上級の分かれ目は択一式30点と35点に書きました。
いくら戻るのか
一般教育訓練給付金は教育訓練経費の20%で、上限10万円。4千円を超えない場合は支給されません。
受給には雇用保険の被保険者期間が要ります。原則3年以上、はじめて使う人は1年以上です。
ここで効いてくるのがアガルートの注記です。「割引制度が適用された場合は、割引後価格が教育訓練経費となります」と書かれています。
割引を使うと、戻ってくる給付金も減ります。入門カリキュラムのフルで計算してみます。
| 入門カリキュラム/フル | 割引なし | 10%割引を使う |
|---|---|---|
| 教育訓練経費(税抜) | 238,000円 | 214,200円 |
| 給付金(20%) | 47,600円 | 42,840円 |
| 割引で安くなる額 | — | 23,800円 |
| 実質の負担(税抜ベース) | 190,400円 | 171,360円 |
給付金は4,760円減ります。ただ割引で23,800円安くなるので、差し引き19,040円は割引を使ったほうが得です。
「給付金が減るから割引は使わない」という判断は、この計算では成り立ちません。割引は6種類あって併用できず、申請は購入前まで。中身は社労士試験に落ちたら何からで比べました。
なお金額は税抜で書かれています。実際に支給される額がどの価格を基準に計算されるかは、申請先のハローワークで確認してください。
全額返金との分岐点は20%
問題はここからです。合格特典と給付金は併用できません。申込みのときにどちらかを選ぶ形になります。
入門カリキュラム/フルで、10%割引を使った場合の条件を並べます。
| 項目 | 全額返金 | 教育訓練給付金 |
|---|---|---|
| 戻る額 | 214,200円 | 42,840円 |
| もらえる条件 | 合格する | 講義の70%以上を視聴し、修了試験で70%以上 |
| 追加で必要なこと | 合格通知書・合格体験記・実名での合格者インタビュー出演 | 雇用保険の被保険者期間(初回は1年以上) |
| 受け取る時期 | 合格発表のあと | 修了日の翌日から1か月以内に申請 |
金額の差は5倍です。ただし全額返金は合格しなければゼロ。
期待値が並ぶ点を出してみます。42,840円 ÷ 214,200円 = 0.2。
自分が合格する確率を20%より高く見るなら全額返金、低く見るなら給付金のほうが期待値は大きい。きれいに2割で割れます。
参考までに、第58回(令和8年度)の合格率は9.3%、前年の第57回は5.5%でした。ただこれは記念受験を含む全受験者の数字なので、講座を買って1年やり切る人の確率とは別物です。自分がどちら側かは自分で見積もるしかありません。
もうひとつ。全額返金には実名での顔出しインタビュー出演が条件に入っています。ここが通せないなら、そもそも比較の土俵に乗りません。条件の詳細はアガルートの合格特典、全額返金の対象は10講座中3つに全部書きました。
給付金を選ぶ場合にやること
給付金は「買えばもらえる」ものではありません。修了要件があります。
アガルートの記載では、全講義の70%以上を視聴し、指定の修了試験で70%以上。これを満たして修了と認められます。
申請は自分で行います。修了日の翌日から1か月以内。受講開始日は教材の初回発送日、修了日は教材の視聴期限とされています。
申込み画面でチェックを入れる必要があり、そのあと本人確認などの手続きがあります。買ったあとで「やっぱり給付金を使いたい」と言っても間に合いません。
割引の申請も購入前までという決まりです。給付金の対象講座と申込みの流れは公式に一覧があります。順番だけは間違えないようにしてください。
よくある質問
ライト版や単科講座は給付金の対象ですか
対象になっているのは入門カリキュラム/フルと中上級カリキュラム/フルの2つだけです。ライト版、基礎講義&入門総合講義、総まとめ講座、キックオフ社労士は一覧に載っていません。
上級カリキュラムで給付金は使えますか
対象講座の一覧に上級カリキュラムはありません。合格特典の対象には入っているので、上級を選ぶ場合は全額返金かお祝い金のほうを見ることになります。
雇用保険に入っていない場合はどうなりますか
一般教育訓練給付金は雇用保険の被保険者期間が要件です。原則3年以上、はじめて使う人は1年以上とされています。自分が該当するかはハローワークで確認できます。
給付金と合格特典、あとから変更できますか
申込みのときにどちらかを選ぶ形になっています。給付金を使う場合は申込み画面でのチェックと本人確認の手続きが要ります。購入後の切り替えは想定されていません。
まとめ
- 給付金の対象は10講座中2つ。上級カリキュラムは合格特典の対象だが給付金は対象外
- 割引を使うと給付金は4,760円減るが、割引で23,800円安くなる。割引を使うほうが19,040円得
- 全額返金と給付金の分岐点は合格確率20%。それより高く見るなら返金、低く見るなら給付金
どちらが正解かは決まっていません。ただ、申込み画面に着く前に決めておかないと選べなくなる、という点だけは共通しています。対象講座と条件を先に開いておくのが安全です。
他社と価格帯そのものを比べたい場合は社労士の通信講座を「合格率の分母」で比較したに5社の下限を並べてあります。
この記事で確認したもの
対象:アガルートの「一般教育訓練給付金|社会保険労務士試験の対象講座」ページと申込みから受給までの流れのページ、合格特典ページ、講座一覧。一般教育訓練給付金の支給率・上限・被保険者期間の要件。
時点:2026年9月22日(講座価格と合格特典の条件は2026年9月11日確認)
やったこと:給付金の対象講座一覧と合格特典の対象講座を突き合わせて、どちらにも入っている講座と片方だけの講座を分けました。分岐点の20%は、給付金42,840円を全額返金214,200円で割った値です。期待値が並ぶ点を出しただけで、合格確率そのものを予想したものではありません。
書かなかったこと:実際に支給される給付金の額は書いていません。アガルートの一覧は税抜で経費を示していますが、支給額がどの価格を基準に計算されるかまでは確認できませんでした。受講生の合格率も使っていません。母数の取り方が公表されていないためです。他社の給付金対象講座も、今回は調べていません。

