40代や50代で社労士の資格を取った。
ただ、この年齢から転職できるのかがわからない。
求人サイトを見ても年齢の記載がないので、判断材料がありません。
そこで、社労士がいま何歳の集団なのかを、登録データで調べました。
この記事でわかること
- 社労士の登録者で最も多い年齢層
- 試験合格者のピークと登録者のピークが20年ずれている理由
- 求人票に年齢が書かれていない、法律上の理由
社労士は50歳代がいちばん多い資格です。40代と50代を合わせると、登録者の54.9%。
登録者46,237人の年齢別構成
全国社会保険労務士会連合会のデータです(2025年3月31日現在)。
| 年齢層 | 割合 |
|---|---|
| 20歳代 | 0.5% |
| 30歳代 | 6.6% |
| 40歳代 | 23.0% |
| 50歳代 | 31.9% |
| 60歳代 | 22.7% |
| 70歳代 | 12.0% |
| 80歳代 | 2.9% |
| 90歳代以上 | 0.4% |
登録者46,237人の年齢構成
40代と50代を合わせて54.9%。この資格では中心層にあたります。
最も多いのは50歳代の31.9%。次いで40歳代の23.0%、60歳代の22.7%と続きます。
40代と50代の合計は54.9%。過半数です。平均年齢は57.06歳、最年少は23歳、最年長は103歳でした。
30歳代は6.6%、20歳代は0.5%しかいません。この資格では、若手のほうが少数派です。
合格者のピークと登録者のピークが20年ずれている
もう1つ、興味深い数字があります。試験の合格者は、登録者とは年齢の分布が違います。
| 年齢層 | 2024年度試験の合格者 | 登録者(全体) |
|---|---|---|
| 20歳代 | 11.8% | 0.5% |
| 30歳代 | 32.5% | 6.6% |
| 40歳代 | 28.9% | 23.0% |
| 50歳代 | 19.2% | 31.9% |
| 60歳以上 | 7.6% | 38.0% |
合格者のピークは30歳代(32.5%)ですが、登録者のピークは50歳代(31.9%)です。約20年のずれがあります。
合格してすぐ登録して動き出すとは限らない。合格者を職業別に見ると会社員が59.9%で、会社員のまま資格を持っておき、キャリアの後半で使い始める人がかなりいると読めます。
40代・50代で動き始めるのは、この資格では例外的な進み方ではありません。
特定社労士は50歳代が最多で、しかも増えている
上位の資格でも同じ傾向が出ています。
紛争解決手続代理業務試験(特定社労士)の2024年度合格者は、50歳代が33.9%で最多でした。前年比で4.0%増えています。40歳代は33.4%、60歳以上は13.1%です。
一方、40歳代は2022年度以降減少傾向が続き、前年比4.6%減でした。
難易度の高い試験に挑む層が、40代から50代へ移っている形です。年齢が上がると新しいことができなくなる、という前提とは逆の動きになっています。
求人票に年齢が書かれていない理由
求人を見ても「40代歓迎」「35歳まで」といった記載はほとんど見当たりません。書けないからです。
労働施策総合推進法第9条は、事業主に対し、労働者の募集および採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定めています。年齢制限を設けられるのは、厚生労働省令が定める例外事由に該当する場合に限られます。
応募する側から見ると、これは追い風にも向かい風にもなります。
有利な面は、年齢だけで門前払いにする建て付けの求人が出せないこと。不利な面は、年齢層の希望が求人票から読み取れないことです。
求人票に書かれていない以上、応募先が何を求めているかは書類と面接でしか分かりません。年齢を気にして応募を絞るより、要件に合うかどうかで判断するほうが合理的です。
60歳以上が38.0%を占めている
年齢の話で見落とされやすいのが、上の層の厚さです。
登録者を60歳以上でまとめると、60歳代22.7%、70歳代12.0%、80歳代2.9%、90歳代以上0.4%。合計で38.0%になります。
最年長の登録者は103歳でした。2024年度試験の合格者の最高齢は81歳です。
雇われる働き方には定年がありますが、資格そのものに年齢の上限はありません。60代・70代でも登録を続けている人が、4割近くいます。
40代・50代からの転職を、残り何年働けるかで考えると短く見えます。でも、この資格の実際の年齢分布は、その前提とは違う形をしています。
40代・50代が用意しておくもの
年齢がハンデになるかどうかは、何を提示できるかで変わります。3つあります。
1. 経験を「数字」に変換しておく
前職が社労士業務でなくても、扱った人数・社数・金額は書けます。給与計算なら何名分か、労務相談なら年間何件かといった形です。年齢が上がるほど職務経歴書が長くなり、読まれにくくなります。数字に置き換えると短くなり、比較もされやすくなります。書き方は職務経歴書で書くべき3つの数字を整理した記事にまとめています。
2. 年下の上司に抵抗がないことを、態度ではなく事実で示す
社労士事務所は小規模なところが多く、所長が年下という状況は普通に起こります。「柔軟です」と書くより、過去に年下の担当者と組んだ経験を1行書くほうが伝わります。
3. 応募する範囲を、実務が積める求人に寄せる
実務未経験から入る場合、年齢に関係なく最初は手続業務から始まります。ここを飛ばそうとすると選択肢が急に狭まります。未経験からの進め方は「未経験可」が意味する2つのケースを整理した記事を参考にしてください。
よくある質問
Q. 50代で実務未経験だと厳しいですか?
楽ではありません。ただ、有効求人倍率は0.85で、年齢に関係なく選ばれる側である前提は同じです。登録者の31.9%が50歳代である以上、50代であること自体が要件から外れる理由にはなりにくいはずです。
Q. 求人票に年齢の記載がある場合は違法ですか?
例外事由に該当する場合は認められています。定年年齢を下回ることを条件とする場合や、法令で年齢が制限されている業務などが該当します。
Q. 40代と50代で違いはありますか?
登録データ上は、40歳代23.0%、50歳代31.9%でどちらも多数派です。ただし特定社労士の合格者では、40歳代が減少傾向で50歳代が増加傾向にあります。
Q. 年収は下がりますか?
実務未経験から入るなら、求人票の下限側からのスタートを見込んでおいてください。年収の相場は出典で2倍以上違う理由を分解した記事で整理しています。
これから受験する側に回るなら、講座選びが先に来ます。各社が公表している合格率は分母の取り方がそれぞれ違うので、そこを読み解いたものを社労士の通信講座を「合格率の分母」で比較したに置いてあります。
まとめ
- 社労士の登録者は50歳代が31.9%で最多。40代と50代で54.9%と過半数
- 試験合格者のピークは30歳代(32.5%)、登録者のピークは50歳代(31.9%)。約20年のずれがある
- 特定社労士の2024年度合格者は50歳代が33.9%で最多、前年比4.0%増
この資格で40代・50代は少数派ではありません。むしろ中心層です。
問題は年齢より、経験を読める形にできているかどうか。求人票に年齢を書けない以上、判断材料は書類しかありません。
探し方については特化型と総合型を求人数から比較した記事も参考になります。
この記事で確認したもの
対象:社労士登録者と試験合格者の年齢別構成(社会保険労務士白書 2025年版 第2章)
時点:2026年8月29日(登録は2025年3月31日現在、試験は2024年度)
やったこと:白書第2章の年齢別構成を拾って、40〜50代が占める比率を出しました。募集・採用における年齢制限の扱いは、労働施策総合推進法第9条と施行規則で確認しています。
書かなかったこと:年齢別の内定率と年収。求人票に年齢を書けない制度になっている以上、集計できるデータが存在しません。
※記事内の数値は2026年8月29日時点で確認したものです。登録者・試験合格者の年齢別構成は全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2025年版」第2章(登録状況は2025年3月31日現在、試験の数値は2024年度)にもとづきます。有効求人倍率は厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)の令和7年度の数値です。募集・採用における年齢制限については労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第9条およびその施行規則によります。

